リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『懐き系』・1
「でもおねーさんとボクの通っている学校は同じだから、行く方向が一緒でもおかしくないだろう?」

確かにウチの学校は幼等部から大学院まである。

そこの中等部と高等部に通っていれば、向かう方向も同じでおかしくはない。

「…だけどアンタは寮生でしょう? わたしは自宅通い。どこをどうやったら、通る道が同じになるのよ?」

寮は学校の敷地内にある為、少年とわたしが同じ道を通ることはまずない。

「う~。そんなツレナイこと、言わないでよぉ」

軽くスネて、抱き着きながら首を横に振る。

それはまるで子供がイヤイヤする仕草に見えるけど、コイツは中学2年生っ!

右手で拳を握り締め、少年の頭に下ろした。

 ゴインッ!

「あいたっ!」

「良い歳して、甘えんじゃないわよ。ほら、とっとと学校へ行くわよ」

「ぶぅ~。…なら、手を握って」

涙目で手を差し出してくる。

わたしよりも小さな手を握りしめ、歩き出す。
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