リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『懐き系』・1
「3歳の年の差はしょうがないでしょう? ちゃんと授業、受けるのよ」

「うん…。じゃあ放課後に、門の所で待ってるから!」

「はいはい」

輝く笑顔で中等部の校舎へ向かう少年は、まるで子犬が駆けていく姿と重なって見える。

「はあ…」

ため息をつきながら、わたしも高等部の校舎へ向かう。

友達からは気を持たせるようなことはするな、とキツク言われていた。

けれど、なあ…。

悲しむ顔を見ると心が痛むし、喜ぶ顔を見ると嬉しくなる。

一度告白を断っているから、少年も恋人の関係は無いと分かりきっているだろうけど…。

…確かに少年を気にかけてしまうのは、あのコの為にはならないのかもしれない。

でもいつか、少年に相応しい可愛い女の子のことを好きになって、わたしから離れるだろう。

それまでは側にいてあげたいと思うのも……本当はいけないのかもしれない。

告白された時、正直嬉しいという気持ちはあった。
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