リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『懐き系』・1
わたしは台所で二人分の紅茶をいれてから、二階へ上がった。

部屋の扉はすでに開かれていて、その隙間から入る。

少年はベッドに座り、床に置いてあったマンガを読み始めている。

まるで自分の部屋のようにくつろぐ少年を、怒る気にはなれない。

「ほら、紅茶いれてきたよ」

「うん」

テーブルの上にトレーを置いて、ポットからカップに紅茶を注ぐ。

少年はいつも角砂糖を2つに、ミルクも入れる。

わたしはミルクだけ。

「ありがと、おねーさん」

「はい、どうぞ。熱いから気を付けて」

少年はフーフーしながら紅茶を飲む。

「うん、美味しい。あっ、クッキーも美味しいと思うよ」

そう言ってカバンからクッキーを取り出す。

ビニールの袋に入れて、リボンで口を結んである。

クッキーは一口サイズで、星やハートの形などがいっぱい入ってある。

…わたしが作るよりも、上手かもしれない。

などと思いながら、一つつまんで口に入れる。
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