目が覚めると7人の男が側にいました。
*prologue*
「はぁはぁ…」
「…っはぁ、」
二つの荒い息が一定のリズムで重なり、夜の闇に溶けては消える。
「はぁっ…もう、むり……」
私の出した苦悶の声に、彼は繋いでいた手をグッと握り直した。
「巻き込んでごめん」
そう、苦しそうに儚く笑いながら。
どうしてこんなことになったのか。今考えても答えは出てこなかった。
強く握った手に付いた彼の血は、もうとっくに乾き始めてる。
あれからどれくらい経ったのか。
焦りと不安そして疲労で、正確な時間さえ分からない。
ふと彼に目を向けると、おびただしい量の血が着ているワイシャツを染め上げていた。
少し明るめのその髪も、まるで部分的に染めたかのように血で濡れて赤黒い。
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