目が覚めると7人の男が側にいました。
赤茶の髪が燃えるような赤に見えるのは、あたしの気のせいなんだろうか?
「俺は神田仁、高校3年だ。ちなみに彼女はいねぇ」
「仁、今それ関係ないから」
「あ、そうだったな」
すかさず突っ込んだベージュ髪の少年に、本当に漫才コンビでも組んでんじゃないかと錯覚しそうになる。
ただうるさいだけかと思っていたジンというその赤髪の男は、意外と真面目に自己紹介を始め―――…
「DoDoってバンドでギター弾いてんだよ。あ、ちなみに俺、お前の兄ちゃんな」
「…は?」
最後の最後で見事、あたしの頭に爆弾を投下しやがった。
無邪気な笑顔とあたしの頭をわしゃわしゃと撫でる優しい手。
お兄ちゃんだと言われても、そこまで不思議じゃないけれど。
「ちょっ…そんな撫でたら亜子の首取れそうだっての!」
「え?」
「ぎ、ぎもぢわるい…」
ぐわんぐわん揺れる自分の頭に、不安の文字しか浮かばなかった。