目が覚めると7人の男が側にいました。




「亜子、大丈夫?」



ジンの手から解放され、いまだ船酔いのような気分の悪さに俯いていると、冷えたペットボトルが差しだされた。


ふっと顔を上げると、さっきまでジンとコントを繰り広げていたベージュ髪の少年があたしを心配そうに見つめている。



「あ、ありがと。えっと……」


「あぁ、ごめん。俺の名前は神田光。高校一年の16歳だから…亜子の一つ下」



ピクリ、耳がその名前に反応する。


コウというらしいベージュ髪の少年は、口をポカンと開けるあたしに何とも爽やかな笑顔を向けている。


けれどその名前、たった数分前にも聞いたような。



「神田って…まさか、」


「あ、うん。もう分かってるだろうけど、亜子は俺の姉貴だよ」



くらり、治まっためまいがよみがえる。


ジンほどの衝撃はないものの、こうも簡単に言われちゃ気が抜ける。




< 13 / 31 >

この作品をシェア

pagetop