目が覚めると7人の男が側にいました。
「大丈夫?亜子。まだ気分悪い?」
額を押さえながら俯いてるとまたもコウがあたしの顔を覗きこみ、心配そうに眉を寄せた。
あぁ、お願いだからそんな爽やかに聞かないで。
息を吐きだし瞼を開くと、目の前のシーツに影が出来た。
「疲れたんじゃないの?亜子ねぇ」
「え?」
その声に顔を上げると、黒ショートの男の子がベットの前に立っている。
“誰?”そう思うのと同時に、全てを悟った。
“亜子ねぇ”彼は今、そう言った。
「ほら、ちょっと横になりなよ」
そう黒髪ショートの彼に促されて軽く横になると、ぐいっとあたしの後頭部に腕をまわす。
「ん、熱はないみたいだね」
そっと顔を近づけたかと思えば、こつん、額を合わせてそう言った。
「神田陽。中学2年で、亜子ねぇの弟だから。よろしく」
「よ、よろしく…」
戸惑いながらもそう口にすると、彼はふっと笑って背を向ける。
あまりにも大人っぽいその仕草に、本当に中2なのかと少し疑ってしまった。