目が覚めると7人の男が側にいました。




「大丈夫?亜子。まだ気分悪い?」



額を押さえながら俯いてるとまたもコウがあたしの顔を覗きこみ、心配そうに眉を寄せた。


あぁ、お願いだからそんな爽やかに聞かないで。


息を吐きだし瞼を開くと、目の前のシーツに影が出来た。



「疲れたんじゃないの?亜子ねぇ」


「え?」



その声に顔を上げると、黒ショートの男の子がベットの前に立っている。


“誰?”そう思うのと同時に、全てを悟った。


“亜子ねぇ”彼は今、そう言った。



「ほら、ちょっと横になりなよ」



そう黒髪ショートの彼に促されて軽く横になると、ぐいっとあたしの後頭部に腕をまわす。



「ん、熱はないみたいだね」



そっと顔を近づけたかと思えば、こつん、額を合わせてそう言った。



「神田陽。中学2年で、亜子ねぇの弟だから。よろしく」


「よ、よろしく…」



戸惑いながらもそう口にすると、彼はふっと笑って背を向ける。


あまりにも大人っぽいその仕草に、本当に中2なのかと少し疑ってしまった。




< 14 / 31 >

この作品をシェア

pagetop