目が覚めると7人の男が側にいました。
なんともゆるーい雰囲気を纏わせた彼は、そのミルクティー色した髪をふわりとかきあげ、
「へぇーそうなんだ。でも俺たち兄弟多いから覚えるの大変でしょー?」
掴みどころのない笑顔であたしの頭をくしゃっと撫でた。
でもそこでまたピクリ、耳が反応する。
俺たち兄弟……ってことはこの人もあたしの兄弟になるんだろうか。
まさかここにいる全員が兄弟……なんて、そんなまさか。
「その顔はもう分かったって感じ?」
「え?」
「神田京。大学3回で亜子のお兄ちゃんだから。分からないことあったら何でも聞いて?よろしくねー」
「……あ、うん」
一瞬、この人の纏う空気に取り込まれた気がした。
ゆるーく生きてますって感じなのに、有無を言わせない感があるのはやっぱり年上だからだろうか。