目が覚めると7人の男が側にいました。
「…で、自己紹介は俺で終わりでいーの?」
キョウがベットを揺らし立ち上がりながらそう言うと、ダークブラウンの髪の男がスッと前に出る。
どこか見たことのあるような顔立ちにジッと見つめていると、髪の色と同じダークブラウンの瞳と目があった。
深く、呑み込まれてしまいそうなその色に思わず目を奪われる。
「神田心。高校3年」
そうしている間に、短く簡潔な自己紹介が終わっていた。
「あ、はい」
思わずそれだけしか言えないあたしに彼は「あぁ」とだけ答えると、またスッと一歩下がる。
けれどそれを許さないとでも言うようにジンが彼の肩に手をかけると、一歩下がったシンの身体を前に引きずり出した。
「なーんだよ、お前。それだけかよ」
「離せジン、いてぇ」
「うるせー、この不愛想野郎が。亜子は全部忘れてんだぞ?怖がられたらどーすんだよ」
大の男二人が目の前で揉み合い、視界を遮る。
このまま放っておいて大丈夫なのかとそわそわしていたけれど、周りの兄弟たちは特に慌てることもなく。
男兄弟ってこんな感じなのか、と一人納得した。