目が覚めると7人の男が側にいました。
「……っ…」
……悔しい。
彼がこんな状態なのに、私は何も出来ない。それどころかむしろ足手まといだ。
そう思うとどうしようもなく目頭が熱くなった。
鼻がツンと痛くなり私を飲み込もうとするけれど、涙だけはぐっとこらえた。
「大丈夫だ」
「え?」
不意に頭を撫でられ驚くと、「大丈夫だ」もう一度そう言って柔らかく笑う。
どう見ても大丈夫でないのは定かなのに、肩で息を繰り返しつつもそう口にしては私を安心させるように笑う。
どうして彼の手はこうも優しくて、切なくて、温かくて……そして消えてしまいそうなんだろう。
胸の締め付けられるような想いが全身を駆け巡り、愛しい気持ちが溢れてしまいそうだった。
その割りに心は少し落ち着くようでもあったからなんだか不思議な感覚だった。
……と、いうよりもわかっていた。
私だって彼の、「大丈夫」を鵜呑みにするほど馬鹿じゃない。
頭を撫でる彼の手が夏なのになぜか冷たくて、そして震えているから。
だから、泣きたくなる。