目が覚めると7人の男が側にいました。
「ん?あぁ、そういやそうだったな」
ゆっくり立ち上がりあたしの横に来た彼は、さっき頭を撫でながら大丈夫だって言ってくれたあの彼だった。
なぜか懐かしい匂いがするのは何でだろう。
そう思うのと同時に、あぁこの人も兄弟なのかと理解する。
「藤原朔夜。お前と同じ高2で、んー簡単に言えば幼なじみ?」
「え?」
小首を傾げ聞き返す。
“幼なじみ”その言葉になぜかドクンと心臓が跳ねた。
「とりあえずお前ん家の隣に住んでっから。よろしくな、亜子」
そう言って笑ったサクヤの笑顔は、何だか少し切なくて。
「うん、よろしく」
差しだされた手を取って笑ったあたしは、その笑顔に隠された切なさをまだ知らない。