目が覚めると7人の男が側にいました。
あたし
「亜子、おーい亜子?」
「わっ」
突然肩に置かれた手にびっくりして、自分でも驚くほど大きな声が出た。
「どうした?頭イテーのか?」
「ううん、大丈夫」
「そうか?あ、飯だってよ」
くしゃくしゃっとあたしの髪を少し乱暴に撫でて、ジンはだるそうにリビングへ向かった。
―――“アコ”
神田亜子。この名前にまだ慣れない。
この家の人間が当たり前のように口にする、あたしの名前らしいその“名前”。
あたしだけが、当たり前でなくなってしまったその名前。
「ほら亜子、早くおいでよ」
「亜子ちゃん、一緒食べよー」
「あ、うん」
何となくぼんやりしていると、コウとソラがソファーに座るあたしを呼んだ。