目が覚めると7人の男が側にいました。
「そーだ、亜子」
「ん?」
いつもの如く、ゆるーくキョウが言葉を発した。
その口から紡がれる言葉は、緊張感がこれといって感じられない。
けれど態度とは裏腹に、それはあたしにとってかなり重要な用件だった。
「明日から夏休み明けて学校なんだけどねー。亜子、どーする?」
どこかで気づいてはいた。けれど気が付いてないふりをしていた。
どう考えても、ここにいる人間は全員学生という身分。
なのに学校に行っている素振りは微塵もなかった。
それはどういうことか、少し考えればすぐに分かることだった。
「まー体調がまだ悪けりゃー無理しなくていーから」
「…うん」
「とりあえず親父にだけひとこと言ってやってー?アイツ心配性だからなー」
クスリと笑ってあたしの頭をくしゃりと撫でる。
少しだけ、複雑だった。