目が覚めると7人の男が側にいました。
「お父さんごめんね?制服、新しいの買ってくれたんでしょ?」
テレビを見ながらコーヒーをすするスーツの後ろ姿に、そう言って謝る。
「あぁ、良いんだ。それよりあんなボロボロの制服、亜子には似合わんからな」
「おい親父、俺の制服もボロボロだぞ!」
「おめぇら男連中はそんくらいが似合ってんだろ」
「何だと!やるか親父!」
「お前寝坊したんだろーが!さっさとその変な頭直してこい」
「うわっやべぇ!」
「……ったく、バカかあいつは」
がはははと笑ってあたしの頭を撫でる“お父さん”につられて笑った。
ふと顔をあげて目が合うと、少しだけ切なくあたしを見つめる。
こんな表情をさせるつもりなんて無いのに―――解決できない“それ”に、少しだけ悲しくなった。