SUN or RAIN ①
掴まれてた所が少し赤くなっていた。
それを見た工藤君は周りをキョロキョロ見渡した。
「ちょっと待ってろ…」
「へ? うん」
あたしは近くのイスに座って待っていた。
「早乙女」
急に暗くなったのは工藤君の影だった。
工藤君の声は低くて安心する…。
「手…」
手……?
あたしは訳がわからずに首を傾げた。
すると工藤君があたしの手をそっと持ち上げた。
さっきとは違う…
優しく、壊れ物に触れるように―――
そして赤くなった所にハンカチを当てた。