咲き舞う華は刻に散る


「何…?」



彼女の言葉に芹沢はピクリと眉を動かす。



「おい、その辺で止めとけ。あの人が怒ると厄介だ」



彼の反応に気付いた土方は彼女を止めた。



しかし、美桜里は土方の制止が耳に入っていないかのように言葉を続けた。


「私からすれば、それを見て楽しむ貴様を見る方が滑稽だ」


美桜里は緋い瞳を細め、妖艶な笑みを浮かべた。



彼女の言葉は芹沢を侮辱している風にしか聞こえない。



その場に居る芹沢を知る者は皆、芹沢が怒り狂うのが目に見えていた。




が、しかし、彼は何も無かったかのようにひょうたんの中の酒を煽った。




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