咲き舞う華は刻に散る
「挑発には乗らないか…。つまらないな」
美桜里は芹沢が挑発に乗って来ると思っていた。
しかし、彼は美桜里の予想に反して、何の反応も示さなかった。
それは美桜里にとって、つまらない事でしかない。
彼女は小さく笑うと、持っていた荷物を抱え直し、屯所の方へ歩みを進めた。
すると、芹沢は美桜里が背を向けるのを待っていたかのようにひょうたんを持ち上げた。
「川綵、避けろッ!」
これからの芹沢の行動を察した斎藤は力の限り美桜里に向かって叫ぶ。