咲き舞う華は刻に散る
が、しかし、投げられたそれは彼女の頭に当たる事はなかった。
何故なら、当たる直前に美桜里が持っていた荷物でひょうたんを受け止めたからだ。
「まったく、短気だな…」
美桜里は受け止めたひょうたんを手の平で弄ぶ。
それは喧嘩を売った彼女が言える言葉ではない。
そもそもの原因は美桜里自身にある。
美桜里が芹沢を挑発したから彼が怒り、ひょうたんを投げて来た。
芹沢に非がないという訳ではないが、これは明らかに美桜里が悪い。