咲き舞う華は刻に散る


美桜里は完全に気配を消し、聞き耳を立てる。



さっき土方が言っていた『奴』とはおそらく、芹沢の事だろう。



「近藤さん、まだ渋っているのですか?あれは会津藩の命令なんですよ」



山南の子供を窘めるように近藤を諭す。



あまりにも大雑把過ぎて、イマイチ内容の意味が分からない。



「(あれとは何だ…?)」



美桜里は隠すように言われた言葉が何を指しているのか気になった。



大体の予想はついているが、確信とは言えない。



彼女の疑問は次の沖田の言葉で確信へと変わった。





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