咲き舞う華は刻に散る
「そうですよ、近藤さん。芹沢さん暗殺は会津藩からの命令なんですから、ちゃんと実行しないと」
美桜里の緋い瞳が見開かれた。
彼女が予想していた事は芹沢一派を何らかの理由で切腹に導くというものだ。
だが、実際は仲間内での暗殺という残酷なものだった。
「総司、あまりでかい声で言うな。他の奴らはこの事を知らないんだぞ」
「心配しなくても大丈夫ですよ、左之さん。こんな夜更けに起きてる人なんて俺達くらいですし」
深刻そうな原田の声と飄々とした沖田の声がする。
美桜里は知りたかった真実を知れた事に満足し、廊下を移動した。
その時、床板が軋んだ。