咲き舞う華は刻に散る
部屋に戻った美桜里は身代わりとして布団に入れておいた手製の人形を取り出す。
実はこの人形、彼女の自信作だったりする。
身代わりの人形は丸太に着物を着せ、鞠に白い布を巻いたものを頭にし、それに顔が描いてある。
そこまでは良かった。
しかし、その描かれている顔がかなり笑いを誘うものだった。
眉毛はマロ眉、目は白目を剥き、歯は剥き出し…。
しかも、頭として付けられた鞠は動かす度にグラグラと動く。
彼女にとっては渾身の自信作だろうが、他人から見たら、笑いを誘うものにしか過ぎなかった。