咲き舞う華は刻に散る
「何故、私がこんな格好をしなくてはいけないんだ…」
今、彼女は土方の命令で芸妓の格好をさせられている。
芸妓のように結われた藍色の髪、うっすらと紅潮した白い肌、瞳に負けないくらい緋い唇。
藍色の髪に映える桜色の牡丹が描かれた白い着物。
何処からどうみても、島原の芸妓にしか見えない。
「くそ…、土方の奴…」
土方も同室に居るため、美桜里は彼に聞こえないように舌打ちをつく。
理由は詳しくは教えてくれなかったが、おおよその予想はついていた。