咲き舞う華は刻に散る
美桜里が彼らに頼まれた接待の手伝いとは、島原で芹沢を酔わせる事だ。
だったら、芸妓の格好をした方が都合が良いからだろう。
頭の良い土方の考えそうな事だ。
「お前ら、あまり呑むなよ?呑み過ぎて敵う奴じゃねぇ」
土方は壁に寄り掛かり、煙管を吹かしながら言った。
彼の言葉に沖田と原田は頷く。
「くくく…っ」
「何がおかしい、川綵」
「いや、無駄に構えるあんたらを見ていると、滑稽でな」
「何だと…?」
美桜里は窓辺で肩を揺らしながら笑っていたが、壁際に居る土方に歩み寄る。
そして、土方が持つ煙管を奪うと、それを吸い、彼に向かって紫煙を吐く。
土方は自分に向かって、吐かれた紫煙に顔をしかめた。