咲き舞う華は刻に散る


家族が殺されたあの日。



実は美桜里は黎から料理を教えてもらうために陽真と共に買い出しに出掛けていたのだ。



あんな悲劇がなければ、美桜里は料理を教えてもらい、料理は出来ていただろう。



その衝撃的な事実を知った土方はばつが悪そうに頭を掻き、美桜里から視線を逸らす。



「土方さ~ん、退屈です!」



室内に場の空気とは似ても似つかない声が響く。



声の方に視線を向けると、如何にも退屈だと言わんばかりに寝転がる沖田が居た。






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