咲き舞う華は刻に散る
怪しいモノを見るような目で見てくる京の民達。
美桜里が京に来て、だいぶ経つが、容姿を奇怪な目で見られるのは変わっていなかった。
それはまるで、見世物小屋に居る珍しい生き物になったような気分だ。
人はそれを見て、楽しんだり、気味がったり…、反応は様々だ。
しかし、どちらにせよそれは彼女にとって、不愉快なものでしかなかった。
「人間とは非情なモノだな…」
「何か、言いましたか?」
「いや、何でも――」
「今、何と言った!?」
美桜里の言葉を遮るように喧騒の声が重なった。