咲き舞う華は刻に散る


「そうか…、分かった…。妹は無理矢理奴らにそこに住まわされているんだ」



男はユラリと立ち上がると怒りに任せ、砕けた湯呑みの破片を踏み付けた。



足の裏に破片が刺さる感覚があった。



しかし、痛みなど感じない。



怒り、妬みが彼を支配し、痛みという感覚を奪っていた。



破片を踏み付けた足の裏から血が流れ、赤い海を作っていく。






< 201 / 615 >

この作品をシェア

pagetop