咲き舞う華は刻に散る
「いかがいたしますか、『桐生』様」
「私が助けに行く」
男――、桐生は己に仕える忍びの女へと視線を向けた。
その瞳は緋から月のように冷たい金色へと変わっていた。
金色の双眸からは負の感情しか感じ取れない。
桐生は女忍びから視線を外すと、もう一度外を見た。
「兄様が必ず助けてやるからな…、美桜里」
同じ空の下…、同じ京の空の下に妹は居る。
桐生は金色の双眸を閉じた。
負の感情をその瞳に宿したまま――。