咲き舞う華は刻に散る
「うあぁあああ!」
しかし、けたたましい悲鳴にそれは呆気なく遮られた。
美桜里はムクリと身体を起こすと、部屋を出た。
睡眠を邪魔された彼女の額にはくっきりと青筋が浮かんでいる。
廊下をどたどたと足音を立てて歩き、玄関へ向かう。
「あ、どうしたんですか?美桜里さん」
玄関には何処かへ行くのか、沖田が草履を履いていた。
「睡眠を邪魔されたから蔵に行って、一発かましてくる」
「奇遇ですね、俺も今から蔵に行く所なんですよ」
美桜里は手早く草履を吐くと、沖田と共に蔵へ向かった。