咲き舞う華は刻に散る
蔵に近付く度に怒鳴り声が大きくなって来る。
「入りますよ」
沖田が一声かけ、蔵の戸を押し開けると、美桜里もその後に続いた。
蔵の中は血の匂いと汗の匂いが充満し、熱気が篭っているのか妙に蒸し暑く、不快だ。
「うぅ…」
ふと男の呻き声がした。
声の方に視線を向けると、逆さ吊りにされた古高が居た。
その隣には五寸釘と蝋燭を持つ土方と竹刀を持つ原田、水の入った桶を持つ斎藤が立っている。