咲き舞う華は刻に散る
「しょうがない…。土方、それを貸せ」
「五寸釘をか?」
土方は持っていた五寸釘を美桜里に渡した。
それを受け取った美桜里は古高の目の前で所々が錆びたそれをちらつかせる。
「吐け。吐かないなら、これを足の甲に刺す」
話を聞いていた土方達は動揺した。
そもそも土方は五寸釘をなかなか吐かない古高の足の裏に刺し、蝋燭を立てようとしていた。
それは鬼の副長と呼ばれる彼もやるかやらないか迷っていた事だ。
しかし、目の前に居る年端も行かない少女がそれをやろうとしている。
動揺せずには居られない。