咲き舞う華は刻に散る


美桜里は足元に転がった首に足を乗せた。



「さようなら、お祖父様…」




踏み付けた首を美桜里は容赦なく、踏み潰した。




耳を塞ぎたくなる程、不愉快な音と共にそれは爆ぜ、辺りに飛び散った。





それは両親と兄を死に至らしめた祖父のモノだった。




――カラン。




すると、美桜里の目の前に何かが転がった。




それは彼女の父がよく吹いていた笛だった。






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