咲き舞う華は刻に散る
そこには、目を疑う人物の名前が書いてあった。
【松平容保】
土方と近藤は文に書かれた名前に呆気を取られた。
松平容保――。
京都守護職を任されている会津藩主で、新選組の上司にあたる人物だ。
「何故、会津公が美桜里さんに…?」
近藤は額に手を当て、分からんと唸り、土方は怪訝そうに眉をひそめていた。
藤堂と原田、永倉は興味深そうにウズウズと動いている。
そんな彼らをよそに美桜里は文を開き、文に目を通した。