咲き舞う華は刻に散る


何処から転がって来たのかと不思議に思いながら、美桜里はそれを拾い上げる。




「うっ…」




ふと、男の呻き声がした。




振り返ると、陽真が左目から血を流し、右目だけで美桜里を睨んでいた。




「美桜…里…」




陽真は右目しか見えない。




彼の左目は怒り狂った美桜里によって、潰されているからだ。






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