咲き舞う華は刻に散る
「そうか、何も聞いておらぬか…」
会津公は土方の前にしゃがむと、血まみれの美桜里の頬に触れる。
怪我を負ってからだいぶ経ったからか、美桜里の頬を伝う血は固まっていた。
会津公は優しい笑みと慈愛に満ちた眼差しを彼女に向けている。
それは本当に他人なのかと疑ってしまう程だった。
会津公は彼女の過去について、何か知っているのだろうか――?
そんな考えが土方の中でよぎる。
すると、美桜里の見ていた視線が土方達に向けられた。