咲き舞う華は刻に散る
「つっ…!?」
「まだ休んどけ。傷に障るぞ?」
「大丈夫…だ…。傷はす、ぐに…治る」
美桜里は強がって、痛くないように言っているが、相当痛いのだろう。
現に彼女の顔には脂汗が浮かんでいた。
「それに、兄の話を聞いていたなら、分かってるだろ?私の正体を…」
美桜里は鬼と人間の混血――。
怪我なんてすぐ治ってしまう
。
確かに初めて出逢った夜。
怪我を負った美桜里を治療した際、身体は傷は一つもなく、白く透き通るような肌で覆われていた。
それは混血である所以だろう。
「だから、離せ」
「駄目だ。休め」
土方は起きようとする美桜里の肩を掴んだ。
傷が治るのが早かろうが、怪我人には変わりはないのだ。