咲き舞う華は刻に散る
「ふがっ!?」
すると、唯一怪我をしていない鼻を土方は摘まんだ。
「馬鹿、俺達はお前を仲間だと思ってるんだぞ?そんな扱いする訳ねぇだろ」
土方の言葉に後ろに居た沖田達も笑顔で頷いている。
その言葉が彼女の胸にじんわりと染み込んで来た。
「馬鹿はお前達だよ、馬鹿…」
美桜里は観念したように小さく笑うと、再び土方に寄り掛かり、目を閉じた。
「過去は怪我が治ったら、話してやる…。だから、今は寝かせてくれ…」
すると、閉じられた美桜里の目の端から雫が零れた。
まるで、彼らの存在に救われたと言うかのように――。