咲き舞う華は刻に散る
すると、二人は彼女に向かって、手を差し出して来た。
美桜里は迷うことなく、その手を掴もうとした。
その瞬間――。
紅蓮の炎が両親の身体を包み込み、一瞬にして消えてなくなってしまった。
周りの景色も闇に染まる。
『緋い瞳に藍色の髪…、本当に醜いわね』
闇の中から従姉妹の小夜の声が聞こえる。
彼女だけじゃない。
『でも、人間じゃないお前と遊んでやっただけ、有り難いだろ?俺、優しいからさ』
『鬼との混血の貴様が人並みの幸せを得られると思うな』
陽真の罵倒に芹沢の最期の言葉。