咲き舞う華は刻に散る
それに――。
『私とお前は人間じゃない…。人の姿をした醜い化け物なんだよ』
『人ならざる者が人と共存など不可能なんだよ』
『お前が父さん達を殺したんだ』
『お前の存在は他人の人生を狂わせるんだよ』
桐生の彼女の存在を否定するような言葉。
美桜里はその場に座り込むと、耳を塞いだ。
耳を塞いでいるにも関わらず、彼らの声は頭に響いて来る。
美桜里は固く目を閉じ、それに耐えようとした。
しかし、それは今の彼女にはきつかった。
私ノ存在ガ父様ノ…、母様ノ…、土方達ノ人生ヲ…。
狂ワセタ――――。
悪魔のような囁きが美桜里の脳内を掻き乱す。
美桜里の瞳に涙が滲んだ。
「誰か…、誰か助けて…」
細く、弱々しい彼女の声は誰にも届くことなく、虚しくも闇に溶けて行った――。