咲き舞う華は刻に散る


美桜里は刀についた血を振り落とすと、それの峰を肩に乗せた。




そして、もう片方の手を持ち上げ、人差し指をチョイチョイと動かした。




まとめてかかって来い、という挑発だ。




「クソッ、舐めやがって!」




そんな彼女の安い挑発に乗り、浪士達は一気に斬りかかって来た。




「馬鹿めが…」




美桜里は唇をペロリと舐めると、闇の中で彼女の緋い瞳が妖しく光った。




そして、その瞳くらい紅い花辺りに散った――。






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