咲き舞う華は刻に散る
「土方、離せ。お前の着物まで血で汚れてしまう…」
「構うかよ」
「私が嫌なんだよ!いいから、離せ…ッ」
美桜里は己の身体を抱きしめる土方の腕から逃れようともがくと、呆気なく離れた。
「何故…、こんなことをするんだよ?」
「お前が哀しそうにしてるから…」
「哀しくなんかない。私は私の意思で兄様を殺した」
「だったら、これはなんだよ?」
そう言って、土方は美桜里の頬を指で拭い、彼女に見せた。
指は湿っている。
それを見た美桜里は頬に手を触れた。