咲き舞う華は刻に散る
3.
それから数ヶ月後。
美桜里は札で負った傷が完全に癒えていた。
しかし、怪我が治った彼女を苦しめるモノがあった。
それは――。
「美桜里さぁん!何故、逃げるのよ!」
最近、入隊した伊東甲子太郎だ。
伊東は男色と言われていたから、美桜里は関係ないと思っていた。
しかし、実際は違った。
正しくは男色+美しいモノが好き。
つまり、端正な顔立ちをした美桜里が彼に気に入られるのは当然のことに近い。
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