咲き舞う華は刻に散る
それは不気味を通り越して、気持ち悪いとしか言いようがない人形だった。
丸太に着物を着せ、鞠に白い布を巻いたものを頭にし、それに顔が描いてある。
顔はマロ眉に白目、歯は剥き出し。
しかも、長らく放ってあったらしく、埃やらで薄汚れていた。
「一体何だ、これは?」
「分かりません。おそらく、敵の――」
「あ、私の身代わり人形」
「「はっ?」」
土方と山崎は素っ頓狂な声を出すと、美桜里の方を見た。
美桜里はその人形について彼らに話した。