咲き舞う華は刻に散る
第五章:《紫苑》
1.
それからしばらくした頃。
新選組は西本願寺に屯所を移した。
そして、幕府お抱えの医者である松本良順によって、健康診断が行われた。
美桜里は松本の手伝いで、隊士の名簿に記録をしていた。
「どうですか、松本先生!俺の身体!凄くないっすか!」
永倉が鍛え上げられた身体を松本に見せている。
「はいはい、凄いな。はい、次」
「なぁっ!?もっとちゃんと診てくれよ!」
「うっさい、永倉。さっさと下がれ。あと何人いると思ってんだ」
美桜里はなかなか下がろうとしない永倉を睨みつける。
永倉は彼女の睨みに負け、下がって行った。
それからは何の支障もなく、あっさりと終わった。