咲き舞う華は刻に散る
「よし、異常なし」
松本はさっき言った通り、彼女の身体を気味悪がることはなかった。
「ありがとうございます」
診断を終え、服を着ていると、後ろから視線を感じた。
振り向いて見ると、永倉が覗いていた。
「いつからそこに?」
「だいぶ前から♪」
永倉は鼻から一本の赤い線を出している。
「だいぶ前から♪じゃねぇよ…」
美桜里は眉を引き攣らせる。
そして、額に青筋を浮かべ、指をボキボキと鳴らしながら、彼に近付いた。
それを目にした永倉は後ずさる。
「死ね、この変態野郎がぁ!」
「ぎゃあぁあ!」
屯所内に永倉の悲鳴と鈍い音が響き渡った。