咲き舞う華は刻に散る
――ドキッ。
すると、胸が高鳴った。
美桜里は胸の高鳴りの理由が分からなくて、胸を押さえた。
「泉羽なら大丈夫だな。あいつなら怪しまれねぇ」
土方はうんうんと頷くと、再び仕事を始めた。
――チクリ。
今度は胸が痛む。
土方が泉羽を信頼していると感じてから、美桜里はよくこういう痛みを感じていた。
よく分からないが、チクリという痛みだけでなく、締め付けられるような痛みを感じる時がある。
何なんだろうか…、この感情は…?
鈍感な彼女がこの感情に気付くのはまだまだ先のこと――。