咲き舞う華は刻に散る
「泉羽、ご褒美だ」
美桜里は袂から泉羽の大好物である団子が包まれている包みを取り出した。
そして、それを泉羽に渡す。
「ありがとうございます…」
大好物を目にしても、泉羽は生気がなく、死んだ魚のような目をしていた。
余程しつこく迫られたのだろう。
美桜里は憐れみを込めて、泉羽に心の中で合掌した。
その後、しばらくの間、泉羽は伊東と会わないように部屋やら屋根裏に篭っていたとさ。