咲き舞う華は刻に散る
4.
「――り、―おり、美桜里!」
「ッんな!?」
ハッと我に返った美桜里の真横には沖田の綺麗な顔があった。
間近で彼の顔を見て驚き、美桜里は咄嗟に顔を引っ込める。
「なななな、何だよ、いきなり!?」
「何だよはこっちだよ。だって、美桜里。せっかくお洒落して団子食べに来たのに、ぼうっとして、食べないんだもん」
彼女は今、沖田と甘味屋に来ていた。
しかも、美桜里は以前買ってもらった女物の着物を着、女の格好をしている。
理由は簡単。
沖田に半強制的に着せられたのだ。