咲き舞う華は刻に散る
しかし、彼女達にとってはこれからが本番だ。
伊東の遺体を餌に御陵衛士をおびき出し、藤堂を助ける――。
その仕事が残っているのだ。
美桜里達はもう一度、路地裏に身を隠すと、藤堂達が来るのを待った。
「伊東さんッ!」
「何でこんなことに…」
しばらくすると、遺体を引き取りに来た御陵衛士の声がした。
美桜里が顔だけ出して確認すると、そこには藤堂もいた。
美桜里は原田達の方を振り返ると、二人は頷き返した。