咲き舞う華は刻に散る


美桜里は倒れた彼に駆け寄り、身体の傷を見る。



傷は肩から腰にかけてあり、この傷は明らかに致命傷だ。



屯所に連れて帰っても、助からない。



「美桜…里…ちゃ…ん…」



藤堂は彼女の名前を呼ぶと、よく屯所で見せていた柔らかい笑みを浮かべた。



「―――――――」



美桜里は彼から言われた言葉に目を見開いた。



そして、彼は小さく笑うと、瞼を閉じて、動かなくなった。






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