咲き舞う華は刻に散る
美桜里は目を覚ますと、見知らぬ光景が映った。
「目が覚めたか?」
「土方…。此処は――、うっ」
身体を起こそうと身をよじるが、肩に激痛が走る。
「無理をするな。此処は大坂城だ」
土方は説明をしながら、身体を起こすのを手伝ってくれた。
大坂城にいるということは新選組は慶喜公がいる此処まで退却した。
つまり、負けたということだ。
「私がいながら、負けただと…?クソ…ッ」
美桜里は悔しくなり、布団を握り締めた。
すると、肩に羽織がかけられる。
「さすがにそれだと身体に良くない」
ふと美桜里は自分の格好を見た。